■1/11
刺激。
僕には無関係な言葉だ。
刺激は生活に潤いをもたらす。
それがあることで充実していく。
しかし、ここ最近、これといった
刺激は一つもない。
いや、1つだけあるか。
メダルである。
年末の大掃除、その時に出てきたメダル。
自分で貯めたか、
誰かに貰ったかは分からない。
だが、大量にあるのだ。
ゲーセンで使うものだと思うのだが、
なぜここまであるのか分からない。
それにいまさらこんなに多くの
メダルを使うなんて、できない。
恥ずかしい。この年になって
ゲーセンでメダルとは。

だが、刺激がないこの生活。
ここはゲーセンに行けば
何か刺激があるかもしれない。
そこで恥ずかしながら
メダル持って行った。
財布に、ポケットに忍ばせて。
店員が見ていないところを見計らい
いざ投入!
あ、あれ?
おかしい、おかしいぞ。
何度入れても出てきてしまう。
くそ、くそ!
さらに悪いことに店員が
不審な目で、いや
笑いをこらえている。
そしてよってきて
「何かあったんですかぁ?」
恥ずかしい!
なんて恥ずかしいんだ!
いい年して、
メダルで遊んでいるなんて!
言える訳がない、どうして言えようか!
「どうしたんですかぁ?」
続けて聞いてくる店員に
怒りを覚えつつ僕は答えた。
「なんでもないです・・・」
しかし店員は
「そのメダルがどうしたんですかぁ?」
と聞いてくる。
そんなこと聞かなくていいんだよ!
恥ずかしいだろうが!
「はぁ、まぁ・・・」
何答えてんだよ、自分!
答えなくていいよ!バカ!
「見せてもらえます?」
見なくてもいいよ!
そして、興味津々に聞くな!
「はぁ・・・」
って渡すなよ、バカ!
自分バカ!
「・・・プッ・・こ、このメダル
型がふ、古すぎて使えませんよ」
・・っ・・・なんてこった。
使えないだと・・・
しかも型が古すぎて。
僕は顔を真っ赤にしながら
「そうですか・・・」
と一言だけ残し
走り去った、力の限り。

こんなの僕の求めていた
刺激じゃない!
僕の求めていたのは、
えっと・・その・・えーと・・・
・・・・・(沈黙)








刺激。
僕には無関係な言葉だ。
TOP 1月日記日付
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送